暖かくなったと油断をして、鬼の攪乱というか、風邪をひいてしまいました。 風邪をひくというのはなかなかつらい物だと言うことが久々に分かりました。と言っても、寝込んでいる訳ではなく、夜更かしができなくなったり、お酒が美味しく無かったり、いくら咳き込んでもからみつく喉のイガイガ君に攻められたりの辛さ程度、ではありますが、やっぱり早く治ってほしいモノです。 さて、
と言うわけで春になり、冬よりも当然暖かくはなって来ましたが、春だからといって毎日がポカポカと気持ちがいい訳でもありません。先週はその事を思いきり沢山証明してくれました。先週末は八ヶ岳に登りに行ってましたが、金曜日の夜から土曜日にかけて、太平洋側を通り抜けた低気圧の影響で、なんと山はこのシーズンでは珍しい大雪となりました。八ヶ岳という山域は、北アルプスや上越方面の山々のように沢山の雪が積もるわけでは無くて、真冬でも積雪は1メートル程度ですが、週末、私たちが登り始めた早朝から牡丹雪が降り出して、その夜、やっと降り止んだ時には40センチ以上の新雪が更に積もりました。悪天の予報が出ていたからでしょうか、それとも4月になって雪山に登る様な気分では無くなったのか、私たちがテントを張った場所にある山小屋にも登山者はあまり泊まっていませんでした。従って雪を踏み固めたトレースも無くて、終始私たちがラッセルをして道を作りました。2週間前の週末には、私もこの山小屋に泊まったのですが、その時は三連休もあって、定員をオーバーする200名以上の宿泊者があって、この小屋名物のビーフステーキの夕食も、食事が私たちの番になった時点で品切れとなってしまい、なんとビーフステーキがホッケの塩焼きに化けてしまったほどの込み方でしたが、今回の宿泊者はほんの少しで、ガラガラ状態でした。
翌日の日曜日。お天気は快晴のまぶしい日差しの登りとなりましたが、どこもかしこも雪だらけ。まず道を作るラッセルの作業から始まります。結局予定していたルート全てを登ることはできず、稜線まで出て横岳と硫黄岳というピークに登り下山しました。下りも、硫黄岳という、南八ヶ岳の中では比較的簡単な入門コースの山で、冬場でもトレースの絶えたことがない山を経由して下りましたが、山頂からの下山ルートにもトレースが全くなくて、ルートを探しながらの下りであったので少し時間がかかってしまいました。硫黄岳の一般ルートにトレースを着けて歩いたのも久しぶりの経験でした。翌日の月曜日、更に登山者が少なくなった山を、今度は阿弥陀岳の北稜というルートを登ってきました。前日もそうでしたが、その日も岩登りのルートで、岩の取り付きまでのルートはラッセルが大変ですが、他の一般ルートと違って、比較的傾斜が強い岩場はあまり大雪の影響は受けていなかったのでごく普通に登ることができました。しかし阿弥陀岳も、一般のルートにはトレースが付いていなかったし、この山は一般ルートも非常に傾斜が強い場所を下らなければならないので、いっそのことと登ってきた岩場を懸垂下降という技術で下りました。通常の阿弥陀岳の下山ルートは、中岳沢という場所を下りますが、春は過去に雪崩事故があった場所でもあり、また今回も上から覗くと、雪の斜面にしわが寄り、いかにも雪崩れそうな雰囲気でしたので、やはり岩場を下った方が安全であると判断しました。 と言うわけで、4月のこの時期で、これだけの新雪が積もった八ヶ岳に登るのは始めての経験でした。さすがに厳冬期のような厳しさはありませんが、それでも沢山の雪が出迎えてくれて、久しぶりに楽しくそして厳しい春の山でした。
春の山は本当に気持ちが良くて、ポカポカと暖かい日差しの中で日焼け止めを塗り忘れるとしっかり真っ黒になってしまいます。がこれも春の楽しさです。しかし、一端天候が崩れると、ポカポカと気がゆるんでいるところへやって来る春の嵐は、ある意味で冬山以上のしっぺ返しをくらうモノです。山は四季折々、楽しさと厳しさがありますが、春ほどその差が激しい季節は他にないかもしれません。例えば、これからゴールデンウィークにかけてが春山本番というところですが、3000メートル前後の高い山になると、たとえ5月になっても雪が降ったりします。厳冬期の山はその装備に防寒的な要素が多いのですが、これからの山は防水対策が一番重要になるでしょう。低い山でもみぞれが降ったりする事があります。皆さんも十分注意をして、山登りを楽しんでください。
さて、今週末は山の予定がありません。本当は下界でのお花見でも楽しみたいのではありますが、もう桜も散っていますね。残念です。なのでお昼寝でもしてのんびりとお休みを楽しみたいなと思ったりもするのですが、実は山に登ってばかりいるので、下界でのお仕事が山積みです。ですから今週末も、本当の山には登らなくても、仕事の山に登る事になる様です。結局私は山から離れられないのかな…。という感じです。
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山が大好きな"山岳一級遊び人" 川名 匡でした。 ではまた来週。
[追記]
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