あっという間に4月になります。時の過ぎるのは何でこんなに早いのでしょう。
年を取れば取るほどに、そのスピードも加速していきます。まだまだ沢山、世界中に登りたい山があるのですが、日本の山ですらまだまだ登っていない山が盛り沢山です。しかも、毎年毎年登りたい山、行ってみたい場所は増え続け、時がたつにつれて登っていない山、登りたい山が増え続けます。時間が止まるか、でなければ平均寿命が200才位にならない物でしょうか。 皆さん何とかしてください。
さて、今年もすでに4分の1が過ぎてしまいました。寒い寒いと思っていたのにもう桜の季節です。皆さんはもうお花見しましたか?
という訳で、下界はすっかり春ですが、高い山の上と言うとまだまだ雪の世界です。昨年の終わり頃には、今年の冬は雪が沢山積もりそうかなと思われていましたが、結果として今年もさほど沢山の雪は積もらなくて、例年よりも少し少ない量だそうですが、それでも山の上には沢山の雪が残っています。山は積雪量が増していかない時から厳冬期が終わり残雪期となります。残雪期は日に日に暖かくなっていく中で、雪が次第に堅く締まり、山はとても歩きやすくなります。そうなるともう真冬に使ったカンジキやスノーシューもいりません。しかも登山道に関係なく夏はブッシュに隠れていた山にも登れるようになります。人が一番自由に山の中を歩き回れるのがこの残雪期です。
[どの山へ行けばいいの?]
話しはコロッと変わったりするのですが、最近色々な人にあって、山に関する質問を受けたりするのですが、その中で意外に多い質問が、「私はどの山に登ればいいですか?」とか「おすすめの山は?」という質問です。私にとっては、登りたい山がたくさんあり過ぎて困っているので、どの山から順に登ったら良いのかなという質問になるのでしょうが、その質問をされた方達にしてみれば、それとはちょっと違っていて、どんな山があるか分からない。どの山に登るときつくてどの山に登ると楽でどの山が素晴らしい景色なのかが分からない。どの山がどこにあるのかも分からないという様なことなのです。という様な初歩的なというか、そんな質問が多いのにびっくりします。それは例えば、始めて会った人に、私はどんなスポーツをしたらいいのですか?と言われている様な物で、ン…答えに詰まってしまいます。そんなとき、実は私が決まって答えるのは、本を見ましょう。という答えです。山はそれこそ沢山あって、色々な意味で楽しい山、厳しい山、綺麗な山、がありますが、その人がいったいどんな山が好きなのか、特に始めて会った人だと分かりません。それこそ10年来とか、でなくとも何度かご一緒している人だったら幾らかはその人の好みも分かってくるのですが、例えば全く始めてあった人にもしお勧めの山を紹介するとしたら、それは私が楽しかった山になってしまいます。しかしその山が、私にとっては最高の山で、もその人にとっては見るのもいやな山かもしれません。マラソンなど、走ることを趣味にしている人は沢山いますが、万人が喜ぶスポーツでは無いでしょう。だから私はまず、山に登ってみたいという気持ちになったら、できるだけ沢山の情報を集めて、できるだけ沢山の山の写真や映像を見る事をお勧めします。そしてその中から、登ってみたい山を探してもらいます。最初に山里を旅する事もいいでしょう。旅の車窓から眺めた山を見て、あの山に登りたいというのも良いでしょう。山はとにかく一生かかっても登り切れない量が沢山沢山あります。この山もこの山も嫌いだけど、この山だけは大好きという様な山が、どんな人にも必ず見つかります。
私が山を始めてから今まで、一貫して好きなのは、岩と雪のコントラストのある山です。雪が好きですが、急峻な山にへばり付いている様な頑張っている雪がもっとも好きです。ですから今でもそんな山を見て、そして登るととても感激します。しかしちょっと気分が落ち込んでいる時とか、ゆっくりとお休みしたい時などは、緑がどこまでも続くようななだらかな山容や、深くてシャキッとした瑞々しい森林に奥深く入ったりできる山に登りたい時もあります。こうして、私一人をしてもいくつかの山にいくつかの気分で登り分ける事ができます。ですから、どんな人にもきっとお気に入りの山が世界中のどこかに存在するはずです。
さてではこの残雪期、私のお薦めの山というと、そう残雪期のお勧めとなればやはり真冬は雪が厳しくて入山できないような山です。例えば厳しい冬を終えた北アルプス。豪雪地帯の東北の山々等です。
やっばり私のお薦めとなると、雪が多い山になってしまいます。ただいくつか、この時期の山に入る注意点も少しお話ししましょう。それはまず雪で登山道が隠れている点でしょう。登山道が雪に隠れていて、尚かつ残雪が歩きやすい為、間違ったルートでもドンドンと登れてしまいます。それが把握したルートであれば楽しいですが、全く分からない場所となればもう遭難です。春は特にそれに気をつけましょう。もう一つは突然の悪天です。暖かいとは言ってもまだまだ天候が悪くなると雪が降ったりみぞれが降ったりします。ちゃんとした装備がないと命取りですので注意してください。山はしっかりとルールを守って登ればそれなりにほほえんでくれますが、ちょっと準備を怠ると悪魔に急変します。それがまた山の醍醐味でもあるのです。皆さん山登りを楽しんでください。
さて、と言うわけで山のお話、これからも続くのですが、皆さんのご意見ご感想、そして今後どのような山話しを聞きたいかのご希望。山に関するご質問等々をお寄せ下さい。お便りを放送でご紹介させていただいた方には、私が持ち帰った山のおみやげ品などをプレゼントします。
宛先です。
〒238−0008 横須賀市大滝町2−20 FMブルー湘南 FAX は、046−821−3511
川名 匡の山に遊ぶの係りまでよろしく。
あなたの住所・氏名も忘れずに書いてください。
山が大好きな"山岳一級遊び人" 川名 匡でした。 ではまた来週。
[追記]
このホームページ上でご覧になっている方達からも上記と同じ"ご意見ご感想、そして今後どのような山話しを聞きたいかのご希望。山に関するご質問等々"をお待ちしています。下記のメールアドレス宛にメールにてお便りください。
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