2003.02/14up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(2003.02/15放送原稿)

キリマンジャロ

寒い2月。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私はというと、相も変わらずせっせと山に通っていますが、最近どうやら風邪気味が続き、ちょっと体調がすぐれなかったりしています。
今年の風邪は、一端かかると、ずるずると長引くような感じです。皆さん気をつけてくださいね。

さて、こうして一年中山登りをしていると、毎月毎月、一年を通して色々な山に行けるのですが、山にも何となく空白期間というか、ポッと空いた時期があるものです。月で言えば梅雨の6月と紅葉が終わって雪が降るまでの11月と、そして寒すぎてあまり登りたくない2月でしょうか。山のオフシーズンという感じの月です。 こんな月は、あまり長期の山の計画は無く、ちょこちょこと短期間の山に登ったりして過ごしますが、実はそれは国内だけに限ってのことで、海外にでればちょうどその月がベストシーズンの山がいくらでもあります。
と言うわけで、実は来週から2週間。ちょっと外国の山に行くことになりました。さてどこに行くかと言うと、
大陸で言うとアフリカ大陸。国でいうとタンザニア。山の名前はキリマンジャロです。
サファリなどの絵や写真には必ずと言っていいほどバックに登場する富士山をべちょっとつぶして平らにしたような山です。冬というシーズンの無い、赤道直下の山ですが、山頂部分は一年を通して雪に覆われていて、氷河もあります。最高峰であるウフルピークの標高が5895メートル。アフリカ大陸最高峰の山です。今日はこの山のお話と、日本からはどうやって行くのかというお話をしましょう。

キリマンジャロは、縦約50km、横約30kmと東南方向に楕円に広がった火山で、西からシラ峰、キボ峰、マウエンジ峰の三つの峰が並んでいます。中央にあるキボ峰が最高峰で、ウフルピークという名の頂上があります。キリマンジャロとは、スワヒリ語で、"キリマ"が丘。"ンジャロ"が輝くという意味で、輝く丘又は白い丘という事になります。現在ある氷河はキボ峰にある物だけで、年々小さくなっているそうです。キリマンジャロは、太古の昔からそこに存在していましたが、西洋人によって最初に発見されたのは1848年で、発見者はドイツ人の宣教師でした。その後、1889年に、やはりドイツ人のメイヤーという人が初登頂しました。 この山がアフリカ大陸最高峰であることを知った当時のドイツ皇帝がイギリスと交渉をして、当時のイギリス植民地であった現在のケニアとドイツ植民地であった現在のタンザニアの国境を変更し、キリマンジャロをぐるっと囲んだ部分をドイツ領としました。その国境線が現在でも残り、アフリカの地図を見ると、ケニアとタンザニアの国境線が、キリマンジャロの部分で大きく曲がっています。

日本からの現地への行き方はいくつかルートがありますが、私たちは北回りで、まずオランダのアムステルダムへ飛び一泊。そこから翌日に南下、キリマンジャロの南側にあるタンザニアのキリマンジャロ国際空港というところまで入ります。南周りでケニアのナイロビに入り、そこから陸路を入るルートもありますが、このヨーロッパ周りのルートが日本からの最短時間でキリマンジャロの登山口に着けるコースです。

今回の登山期間は6日間。まずマラングゲートというキリマンジャロ国立公園のゲートがある場所まで車で入り、そこからいよいよ登山が始まります。途中にはハットと呼ばれている山小屋があり、全て小屋泊まりで移動していきます。初日は標高1550mのマラングから標高2727mのマンダラハットまで、2日目に標高3720mのホロンボハット。このホロンボで高度順応の為1日滞在して周辺散策などをして過ごします。この高度順応の為の滞在は、標高の高い山に登るためには絶対に必要な行程です。そして4日目に、いよいよ最後の宿泊地である、標高4703mのキボハットまで登り寝ます。さて登頂日である登山5日目は、早朝と言うよりはまだ真夜中の12時過ぎには登山を開始します。キボハットから約5時間。朝の6時過ぎには富士山のお鉢の部分にあたるところのギルマンズポイントという最初のピークに到着する予定です。標高は5682m。ホントの山頂ではありませんが、一様ギルマンズポイントまで上がればキリマンジャロ登頂とみなされます。以前、テレビ番組で反町がヘロヘロになった登り着いたのがこのギルマンズポイントです。私もできればここまで登りたいなぁと思っていますがさてどうなるでしょう。そして、ギルマンズポイントから更に標高差で200m。火口のお鉢をぐるりと回って、最高峰であるウフルピークに、条件が良ければ登り着くという訳です。 登頂予定日は、まあ登れればですが、現地時間の24日午前8時頃となる予定です。日本との時差はマイナス6時間ですから、日本時間で言うと24日の午後2時頃でしょうか?もし気がついたら、日本から応援してください。ひょっとしたら皆さんの声が届くかもしれません。

赤道直下には四季が無くて、あるのは雨期と乾期だけです。登山に適した時期は、その雨期をさけた7月から10月とそして日本の冬にあたる1月から3月となります。今回はそのベストシーズンの2月に、登に行く訳です。ちなみに今回もお仕事で、アルパインツアーサービスという登山専門の旅行会社のツアーリーダーとして行きます。お客様16名とツアーリーダー2名。計18名のパーティ。プラス、荷物を担いだり案内をしてくれる現地のガイドやポーターの人たちと登ります。 お客様達が体調崩さず登れるかどうかが一番の心配ですが、全員登頂でる様に頑張ってます。
あと、私たちが行ってる間に、どうかお願いですから米軍のイラク侵攻が有りません様に。祈っております。
出発は2月18日。帰国は28日です。 帰りましたらまた沢山ご報告いたしましょう。

山が大好きな"山岳一級遊び人" 川名 匡でした。 では行って来ます。


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