先日は穂高岳に登ろうと出かけましたが、予定していた3日間共に雨に降られてしまい、結局涸沢という場所までしか行けませんでした。
ほとんどテントの中で宴会をするかお昼寝をするかの毎日でしたが、まあそれはそれで休養になったかなという感じです。
しかし驚いたのは平日だと言うのに上高地の観光客の多さです。勿論紅葉もきれいでしたが、上高地もすでに最盛期は終わり、紅葉はもっと下が見事です。ちょうど沢渡辺りが非常にいい色に染まっていました。ですから何も混雑する上高地まで上がってこなくてもいいのになぁと思った次第です。
さて、 今週、実はネパールに行きます。
ツアーガイドとしてのネパール行きですが、今回はエベレスト街道をパンボチェという場所までの往復で、日本を出てから帰るまで約2週間のトレッキングです。エベレスト街道と呼ばれているトレッキングコースは、ネパールの中でも一番有名でトレッカーも多いルートです。シェルパ族のふるさと、ナムチェ・バザールや、名峰アマ・ダブラムを眺めながらのトレッキング。そして世界最高峰のエベレストも眺められます。最奥まで進むと、エベレストの展望台であるカラ・パタールというピークや、エベレストのベースキャンプまで行けますが、日程的には倍以上かかります。
まず、エベレスト街道がネパールのどの辺にあるかと言うお話からしましょう。
ネパールはインドとチベットに挟まれた細長い国ですが、その中央から少し右側に首都であるカトマンドゥがあります。エベレストがあるクーンブヒマールは、そのカトマンドゥからさらに東側で、まずカトマンドゥから飛行機で約40分の所にあるルクラの飛行場まで飛びます。ルクラは、小さな飛行機しか離着陸できない飛行場ですが、面白いのはその地形で、滑走路が山の斜面上にあります。ですから着陸する時は谷の下から斜面をはい上がる様にして降り、また離陸する時は谷に向かって滑り降りる様に飛び立ちます。なかなかスリリングです。天気が悪いと直ぐに飛ばなくなる空路でもあり、カトマンドゥから行けなかったり、悪くするとルクラから帰れなくなってしまい、日本へ帰る飛行機に乗り遅れたりするので、特に帰りは何日か余裕をみておかなくてはなりません。もっとも旅を急ぐのは日本人だけで、飛べなくてイライラしていると地ピーに変に思われるかもしれません。
さてこのルクラに到着すると、いよいよ足で歩くトレッキングが始まります。初日はルクラから徒歩約3時間のパクディンに泊まり、トレッキング二日目でナムチェ・バザールです。途中には、サガルマータ国立公園の入口であるジョルサレという場所にチェックポイントがあって、ここから上がいよいよ国立公園内です。ちなみにサガルマータとは、エベレストのネパール名です。チョモランマという、中国側の呼び名はよく知られていますが、サガルマータという呼び名はあまり知られていないかもしれません。そして"ミルク"という意味の川を吊り橋で渡ると、高度差300メートルほどの急な登山道が現れ、それが終わるとナムチェ・バザールに到着です。ナムチェ・バザールは、標高3446m、三方を山に囲まれた地形に、馬蹄形の形をした村です。クーンブ地方では一番大きなシェルパ族の村で、この地方の交易の中心地であり、トレッキングの拠点でもあります。村にはロッジやお土産屋さん、レストラン、そして登山用品店などの観光客相手の施設だけでなく、この地方のそこいら中から集まってくるシェルパ達の食料品や日用雑貨などを扱う市も開かれていてとても賑やかです。
次の日はナムチェからタンボチェまで歩きます。タンポチェという村には、この地方では一番大きなゴンパがあります。ゴンパとはお寺の事で、比較的新しい建物であるタンポチェゴンパはとても立派です。今回のトレッキングは、このタンポチェからもう一つ先のパンボチェという所までの往復ですが、この先もペリチェ、トゥクラ、ロブジェ、ゴラクシェプとすすみ、最後はエベレストのベースキャンプまで至ります。但しそこまで行くとなると、タンボチェからさらに往復1週間以上はかかりますので、全行程は少なくとも3週間以上の長いトレッキングになってしまいます。
ところでネパールですが、またつい先日もカトマンドゥの市内で爆弾事件などが起こったり、まだまだ政情不安が続いています。但しどれも外国人をターゲットにした物ではなくて、観光客などには被害は出ていませんが、それでも注意するに越した事はありません。市内をあまりフラフラ歩かないとか、ターゲットになる様な場所には近づかないとか、色々と考えながらの行動が必要でしょう。我々も注意をしたいと思っています。フラフラ歩かない…と言うのは、私にはちょっと苦手なのですが、注意をして行動してきます。
と言う訳で、今回はそんなに長くはありませんが、日本に帰ってくるのは11月の中旬頃になってしまいそうです。従ってこの放送も、しばらくは事前の収録でお送りしますので、皆さんタイムリーな話題が出なくてもよろしく。最後に、この番組の放送原稿をアップしている番組のホームページのアドレスを言います。
http://www.mt-kawana.com/FM です。最後のFMの部分は大文字ですので注意をしてください。
ホームページ内にあるEメールアドレスへ、ご意見やご感想、そしてご質問などもお待ちしています。
ではネパールの事、また帰りましたらご報告しましょう。
山岳一級遊び人、川名 匡でした。では行って来ます…
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