2002.10/10up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(2002.09/07放送)

残暑

まだまだ暑い日が続いていますが。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
もう九月になってしまいましたが、夏にやり残した事が無いだろうかとソワソワするのもこの時期でしょうか。
私は、7月8月とこの2ヶ月間、殆ど山に行きっぱなしの毎日でした。かれこれ20数年間、山登りを続けていますが、こんなに山に登ったのは初めてです。中年のおじさんになって、いささか足腰も弱ってきた今日この頃、ちょっと疲れがたまっています。そしてやっと九月に入って、久しぶりに2週間ほどのお休みができて、ホッとしているところです。

今回行っていたのは、北アルプスです。
月刊山と渓谷を発行している山と渓谷社のヤマケイ北アルプス登山教室という催しに、ツアーリーダーとして参加して来ました。
まず北アルプス北部にある、薬師岳と黒部五郎岳に登り、その後、前穂高岳から奥穂高岳に登り、最後は焼岳から西穂高岳へ登って来ました。全行程で10日間、登った山々は主なモノだけで8座程度、一緒に行った人達はそれぞれ別の方々で、合計40名ほどになります。この催しも私が参加させてもらう様になってから、今年で4年目になります。今回は初回の薬師岳だけが霧の中でしたが、他の山々はすべていい天気が続いて、とても気持ちの良い稜線漫歩を楽しませてもらいました。
その前の剣岳から20日間、その内横須賀に帰ったのは2日間だけで、本当に8月は山浸りの毎日でした。

しかし、下界の暑さにはまいりました。

山に登っていると、真夏でも涼しい日々が続きます。
普通、標高が100メートル上がる毎に、平均気温で0.6℃下がると言われています。つまり、標高3000メートルの日本アルプス稜線では、下界が35℃の猛暑でも、18℃低い気温17℃と言う事になります。もっとも日中の日差しがきつい時はもう少し上昇しますが、それでも20℃台の涼しい環境となります。8月は殆ど山に入っていて、横須賀に寝たのは数日間でしたが、帰ってくる度に暑い暑い思いをさせられました。特に先日、10日ぶりに帰ったらもう暑くて寝苦しくて大変でした。早く早く涼しい日々が訪れてくれないかなと願う次第です。

と言う訳で、9月になってもなかなか涼しくなりません。私はホント、暑さだけは弱くて、特に日本のじめじめとした、日陰にいても汗がひかない蒸し暑さにまいってしまいます。ですから、早く早く涼しい秋になって欲しい……。それが今の私の最大のお願い事です。

何故かまえふりが長くなってしまい、もうおしゃべりするお時間の半分以上が過ぎてしまいましたが、
では、これから日に日に涼しくなっていくだろう秋の山々に登る時の心構えというか注意点をちょっとお話しましょう。

9月に入ったと言っても、下界はまだまだ暑い日々が続いています。しかし実はその季節の移り変わりがダイレクトにまず現れるのは高い山の上だと言えます。3000メートルの稜線へ登れば、朝は氷点下という日も珍しく無くなりますし、そろそろ紅葉が色付きだすのは9月中旬。北アルプスの山々は、9月下旬には紅葉が見頃となり、そろそろ初雪も降ります。但し、気温が低い分、秋の晴天はとてもすがすがしく、スッキリとした空気の中、しっとりとした山々を見せてくれます。
9月の山に登る時、注意をしなくてはいけない事は、まず寒さ対策です。夏の山に登る時よりも、一枚余計に防寒具を持参してください。高い山に登った時、横須賀辺りの真冬の気温と考えてまず間違いありません。 そして次に重要な事は、日が短くなると言う事です。夏にたてた計画よりも少し余裕を持った行程を考えてください。そして最後に、お天気情報をよく見てから山に入るという事。9月は晴れれば最高の気分になれますが、一端天気が悪くなると一段と気温も下がり、危険な要素が拡大します。特に大雨や台風の時は、けして山には登らないようにしましょう。朝は少し寒いくらい。そんな陽気の時が、歩き出して体温が上がってきて、ちょうどよい暖かさになります。9月の山はそんなところが心地よいものです。夏場はとても登れなかった1000メートル以下のハイキングコースも、少し涼しくなれば楽しいものです。そんな9月が始まりました。

さて、今週末は高い山はお休み。鷹取山のお掃除・ゴミ拾いなどをやってます。鷹取山公園内だけでなく、田浦から鷹取山へ続くハイキングコースと、逗子の神武寺からつづくハイキングコース上も対象です。しっかり沢山拾ってくるつもりですが、本当は、全く拾うゴミが無い位にきれいだといいなぁと思っています。
そして来週は、南アルプスにあります、日本第2位の高所、北岳に登りに行く予定です。
北岳バットレスと言う、標高3000メートルにある岩場を登ります。
今週末の鷹取山。そして来週の北岳と、秋晴れのいいお天気になりますように、お空に祈っています。

山岳一級遊び人、川名 匡でした。ではまた来週

 

 ← 前週の放送    トップページ    次週予告 → 


E-Mail : Tadashi Kawana [Copyright(c)1999]
槍ヶ岳