2002.10/10up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(2002.07/06放送)

富士登山

梅雨の中休みで晴れ間が出たり、またシトシトと、時にはザアザアと、雨が降り続いている今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 
私はと言いますと、先日も沢登りに行ったり、また晴れ間にハイキングを楽しんだりしていますが、実はここに来て、急に中国の山に行く事になって、あたふたと支度を始めているところです。で、実はこの放送がある6日には成田を飛び立って、まず北京に向かう予定です。 行くところは、新彊ウイグル自治区にある天山山脈の主峰、ボゴダ峰のBCです。実際の山は、5日間のトレッキングですが、シルクロードのまっただ中にあるウイグルも楽しみにしています。できたら皆さんにも、 タクラマカン砂漠の砂などをおみやげに持って帰りたいなぁと思っています。

さて、そんな具合で、私は一年中を通して、色々な山に登っていますが、普通、一般の皆さんは、山登りが好きだと言っても、やはり高い山に登るのは夏のシーズンが主になると思います。7月も中旬を過ぎて、長い梅雨が明ければ、標高の高い山々もいいお天気が続き、高山植物も咲き乱れる、一年で一番賑やかな夏山のシーズンとなります。夏のベストシーズンは、この7月中旬以降の梅雨明け一番から、8月の上旬までで、8月の中旬を過ぎると、今度は午後の雷なども多くなってきて、それまでほどはお天気も安定しなくなってきます。 それでも、やはり7月中旬から8月末までは、どこの山に行っても登山者でにぎわっています。もっとも、以前の夏山シーズンピークと言えば、8月中旬のお盆の時期でしたが、ここ何年かは、7月20日の海の日辺りが一番の登山者でにぎわっている山が多くなった様です。

ところで、山登りを趣味としない人でも、また殆ど登山を知らない人でも、富士山の名前を知らない人はいないと思います。そして、誰に聞いても、一度は富士山に登りたいという人が殆どです。日本に数ある標高の高い山々の中でも、やっぱり富士山は一番知名度があり、皆さんが登りたがっている山でしょう。今日はそういう事で、この富士山に今年の夏に初めて登りたいと思っている方の為に、色々とアドバイスをさせていただきましょう。

まず富士山がある場所ですが、これは殆ど知らない人はいないでしょう。富士山は日本列島は本州のほぼ中央部、山梨県と静岡県の県境にまたがった、国内最高峰のカルデラ式火山の山です。標高は3776メートル。 日本で2番目に高い、南アルプスの北岳よりも500メートル以上も高い、群を抜いた背高のっぽの山でもあります。
以前から、この放送で何度もお話ししていますが、実は私はあまり富士山に登るのは好きではありません。と言うのは、山頂に至るコースは、どこを登っても大変で、また夏はホコリっぽく、非常に疲れる山です。ですから、もし私が誰かにどこの山に登るのがいいかと聞かれたら、富士山と答える事はまず無いでしょう。富士山は登るのではなく、その優雅な姿を下から眺めるのが最高の山です。
しかし、富士山には毎年何万人もの登山者が訪れます。それはやはり、日本で一番高い山だからなのでしょう。 だから良く、色々な方に山に登るためのアドバイスを頼まれる時も、富士山の事が一番多いです。

では初めての方にまず基本から。 富士山の登山口は4つあります。北側の富士吉田口、そして須走口、御殿場口、一番南側の富士宮口です。 どの登山道が一番登りやすいかと言えば、やはり富士宮口でしょう。それは何故かというと、夏場に運行しているバスに乗って、あるいは自家用車で行く、各5合目の内で、富士宮口が一番標高の高い場所にあるからです。山頂までの標高差が一番少ないコースが一番楽なのは皆さんも良く分かると思います。 ただしかし、一番便利がいいのは何処かというと、富士吉田口でしょうか。コース途中にある山小屋も多く、また交通のアクセスも4つの登山口の中では一番いいです。

若い体力のある人でしたら、夜行で家を出て、そのまま眠らずにまだ夜が明けない内から歩き出して山頂を極める事も可能ですが、これはあまりお勧めできません。通常は途中の山小屋に一泊をして、二日かけて登るのがベストです。ただし、夏の最盛期の富士山にある山小屋は、これはもう殺人的な込み方をします。例えば山登りの経験がない人が、富士山に登り、この最悪の山小屋に泊まった結果。山登りが嫌いになって、もう二度と他の山に登りたくなくなったりするのが一番残念です。ですから、富士山の山小屋の泊まったとしても、これはけして他の山とは違うんだという意識を持ってください。よろしく。

装備に関してですが、富士山でしたらそんなに過剰な装備は必要ありません。はき慣れた歩きやすい靴と速乾性のあるウエアーそして山頂ではマイナスになる可能性もあるので防寒具は絶対に必要です。最低でも、冬に着るセーターやフリースを持参しましょう。夏場は水不足から来るバテも大きいので、大きめの水筒も持参しましょう。夜に登るのでしたら、登山用のヘッドランプあるいは懐中電灯も必要です。
皆さんがんばって登りましょう。

来週もこの続きをお話します。

山岳一級遊び人:川名 匡でした ではまた来週。

 

 ← 前週の放送    トップページ    次週予告 → 


E-Mail : Tadashi Kawana [Copyright(c)1999]
槍ヶ岳