2002.10/10up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(2002.06/08放送)

雨雨降れ降れもう間近

先日は丹沢の大倉尾根で開催されました、第16回丹沢ボッカ駅伝競争に行って来ました。
私自身は役員としての参加でしたが、私の所属山岳会である森羅のチームも3チーム出場しまして、うれしいことに、その中の女子クラスに参加していた森羅ラビッツがクラス順位2位となりました。
私自身は記録集計という立場で、本部内で一番先に順位を知る位置にいたのですが、記録が電送されてきたのを見てびっくりしてしまいました。
上位クラスには必ず国体選手クラスが入るのですが、ランナーでもない一登山者チームの森羅が2位と言うのは私以外でもビックリでしょう。世間は今、サッカーのワールドカップで沸いていますが、私も久しぶりに興奮してしまいました。当日はお天気も良くて、選手にとっては暑く良いコンディションとは言えませんでしたが、大会も無事に終了して、ホッとしました。来年からは、毎年行われていて、ボッカ駅伝もその中のイベントの一つである秦野市主催の、"秦野丹沢まつり"という、イベントと同時開催となり、毎年4月開催で、当日は一般参加の集中登山と、国体の県内予選会を兼ねている丹沢登山競走とそして今回のボッカ駅伝と、三つのイベントが同じ大倉尾根のコースを使って同じ日に開催されるので、非常に賑やかになると思います。これも、又近くなりましたら皆さんにお知らせしますので、よろしくお願いします。

さて、6月に入って、もう夏かと思わせる様な陽気が続いていますが、もうそろそろ梅雨がやってくるはずです。
今日は雨の話をちょっとしましょう。

私は雨が好きです。もっとも、パンツまでビショビショになってしまって、ガタガタと震えるような雨というのはその限りではないんですが、静かに降る優しい雨が好きです。山に登る時も、縫い目から雨が染み込んでこないような雨具を着て、靴下も濡れないようなしっかりとした防水性の高い登山靴を履いて、そういう時には頭から被ったフード越しに、バタバタと頭蓋骨に反響してくるような、心地良いマッサージのような刺激のある雨が大好きです。そして新緑や紅葉の葉っぱがしっとりと濡れている姿を見ていると心まで洗われてくるような、そういう気分にもなります。雨が降っている時の森というのは、みんなが黙り込んでいて静かです。大きな木も小さな木も、苔むした岩も小さな草花も、そしてミミズとか虫とかカエルとか。。。多分、シカとかタヌキとかクマ達も、ジッと行動を「停止」して雨を静かに受け入れているのかなぁとそんな気がします。 そんな全ての森の住人たちが、「雨」という形で支給される水分を、心置きなく味わっている、そんな気配が森からひしひしと伝わってきます。だからと云うわけでもないんですが、私も雨を味わいます。 傘はあまり好きではありません。ですから街で雨に遭遇した時などは、ちょっとくらいの雨でしたらそのまま濡れていたりもします。これから本館的なシーズンに入る沢登りなども濡れることが一つの楽しみでもある様に、ちょっとした雨だったら傘もささずに濡れるままが好きです。 そして本格的な雨の場合は、傘ではなくて合羽が好きです。合羽は全身で雨の感触が味わえます。自分に雨が降り注いでいるという感触が、たまらなく心地良いからなんでが、ちょっとおかしいでしょうか? ひょっとしたら私の前世は「森の木」だったのかも知れません。 ですからポカポカの太陽も好きですし、雨も大好きです。

昔々、登山をやる様になって初めて合羽を買った時、早く雨が降らないかと、毎日毎日ソワソワしていました。ですから、山登りではないのに、初めて雨が降った時は、用事もないのにオニューの合羽を着込んで散歩に出たモノです。また初めてゴアテックスという防水なのに蒸れないという雨具を買った時、ちょうど横須賀に台風が接近してきていて、今はもう無い安浦の防波堤の前で、豪雨と頭から降り注ぐ高波の前で楽しんだモノです。まぁこれはちょっと危険なので皆さんまねはしない様にしましょう。ホント、ちょっと変かもしれませんが、でも絶対に、この放送を聞いてくれている皆さんの中にも、雨のこういうところが好きという方、そして私の話にうなずいている方がいるはずです。違いますか?

今週末は、雨ともう一つ、うれしいずぶぬれ状態を体験できる"沢登り"に行って来ます。
沢登りとは、読んで字のごとく、沢を登る登山形態です。沢筋を時には水の中を通り、時には滝を登り、道無き道を登ります。大きな滝を登る時は岩登りと全く同じ装備を使い緊張した登擧もありますし、釜という深い滝壺を通過する時は泳いで渡ったりもします。探検好き、秘境好き、そして濡れるのが大好きな人にとっては、とっても楽しい登り方です。今年は色々と用事もあって、沢登りは今回が今シーズン初です。
しっかりと滝に打たれてずぶぬれになってきます。

山岳一級遊び人:川名 匡でした また来週。

 

 ← 前週の放送    トップページ    次週予告 → 


E-Mail : Tadashi Kawana [Copyright(c)1999]
槍ヶ岳