2002.10/10up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(2002.06/01放送)

市民登山の話

暖かくなってきました。もう5月も終わり6月に入り、日に日に私の嫌いな夏に近づいています。
何で夏が嫌いかというと、もう暑いのが駄目で、じっとしているだけでジトーっと汗が出てくる感覚がとても駄目です。
その点、今ぐらいの季節が一番過ごしやすくて快適です。ずっとこのままでいて欲しいのですが、もっとも夏が来ないと、私の好きな冬も来ないので、仕方がないかなとも思います。

高い山々も、そろそろ雪が消えて来ました。まだ沢筋などには、残雪が残っていますが、稜線上は消え、梅雨が終われば、いよいよ夏山のシーズンに入ります。暑い夏はやっぱり標高の高い山の上に行くのが最高です。今からどこへ行こうかと楽しみです。

ところで、私も所属しています、横須賀山岳協会という山登りの団体がありますが、毎年、梅雨明けの7月下旬に、市民登山と言って、横須賀市民の皆さんを対象にした山登りの会を主催しています。実は今年は、その市民登山を私が担当する事になりまして、現在準備中です。今年の山は、北アルプスの南部、西穂高岳と上高地の焼岳になりました。なので、今回はちょっと詳しく、市民登山のことお話しします。
西穂高岳は上高地の河童橋から正面に見える穂高連峰の向かって左側に位置します。標高が2909メートル。北穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳と続く穂高の山々の中では一番低いピークですが、その為、穂高連峰に特徴的な、男性的な荒々しい岩山の中では、一番短時間で山頂まで行ける山です。しかし、穂高の特徴として、岩場の連続する登山道があり、実は西穂の山頂まで登るには岩登りになれた登山者しかいけません。地図上でも、一般登山道ではなく、上級者向きという記載があります。一般の方は西穂山頂の手前にある、独標という、標高2701メートルのピークまでとなります。今回も、登山経験のない方でも登れる山と言うのが条件なので、西穂独標までとなりました。それでも独標まで登れば、穂高連峰の山々を間近に眺める事ができる、とても雄大なピークです。前夜、横須賀からバスで出発し、新穂高温泉のロープウェイを使用して、1日目に西穂高岳の独標まで登ります。その日は稜線を下った西穂高岳山荘という山小屋に一泊。夏の一番良いシーズンですので、山小屋は非常に込んでいる事でしょう。そして次の日、焼岳に登ります。焼岳は、上高地からよく見える今でも煙を吐いている活動的な火山で、一時は登山禁止になっていましたが、今は緩和され山頂まで登ることができます。この日はちょっとロングコースです。西穂高山荘から焼岳小屋を経て煙がもくもくと出る焼岳の北峰山頂、標高2393メートルまで登り、そして反対側の中ノ湯まで下ります。中ノ湯へ下る登山道は、安房トンネルの開通で98年に移転オープンした中ノ湯温泉に下る新しい道もありますが、今回は古い方の登山道を下り、上高地へ入る入口の釜トンネルに下り着きます。そして二日目の夜は、新平湯温泉の温泉旅館に泊まり、翌日の3日目、今度は乗鞍岳の山頂直下まで開通している自動車道路、乗鞍スカイラインを使って標高3000メートルの乗鞍岳まで登ってしまおうという、ちょっと欲張りなコースです。募集人員は45名、横須賀山岳協会の各山岳会から派遣されたリーダーが10名、全員で55名の大パーティとなりますが、大人数のため登山道などで迷惑がかからない様に、グループを4つに分けて、1グループ11〜2名で構成し、登山中はグループ毎の行動となります。
ちなみに参加費用は、お一人39000円。申し込みが募集人数よりも多くなった場合は、抽選でとなります。
応募方法ですが、毎月の月初めに横須賀市から発行されます、広報よこすかの6月号、つまり発行の号なのてすが、そちらに掲載されます。掲載された宛先に往復ハガキにて行かれる方の住所・氏名・電話番号、そして生年月日などを書いて出してください。往復ハガキの返信側の宛先には応募された方の住所氏名を記入していただいて、抽選結果の通知に使用します。市民登山は毎年、かなりの数の方々から応募があり、毎回抽選となっています。さてそこで、せっかくこの放送で市民登山のお話をさせていただいたので、この放送を聞いている方の中で、もしこの市民登山に参加したいという方がいらっしゃいましたら、今お話をした応募方法で、住所・氏名記入欄の下に、「山に遊ぶで聞きました」と一言書いてください。一言書いていただいた方の中から先着5名様まで、優先的に参加を決定させていただきます。よろしく。

さてところで、先週もお話しましたが、この6月2日の日曜日、神奈川県の秦野市にあります、丹沢の表尾根という登山コースで、第16回丹沢ボッカ駅伝競争という山岳競技が開催されます。私たちの山岳会も3チーム、この競技に選手として参加します。私は残念ながら競技役員となってしまいましたので、選手参加はしないのですが、今はちょっとドキドキしている最中です。ボッカ駅伝とは、女子10キロから男子40キロまで、規定の重量の重りを担ぎ、その担いだ荷物をタスキ代わりに、全コースを4名で駅伝形式で走ります。全行程、6187メートル、標高差1010メートルの過酷な山岳競技です。明日は、あまりいいお天気になっても、暑くて走れなくなってしまうので、程々の天候がいいのですがどうでしょう。皆さんも、もしよろしかったら応援に来てください。ではがんばって来ます。

 山岳一級遊び人:川名 匡でした また来週。

 

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