おはようございます。
本日は生で、スタジオから放送させてもらっています。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
(景色の描写……)
実は今日は山に登に行ってるはずだったのですが、天気予報でかなり悪くなると分かりましたので中止にしました。特に今日行くはずだったのは、アイスクライミングと言いまして、凍った滝を登るという物好きな山遊びの予定でした。しかし、行くはずだった山梨県の南部が大雪と言うことで諦めました。と言っても、中止にした訳は、雪が降っていると危ないとかいう事ではなくて、凍った滝を登ると言うことは、その滝が露出していなくてはできないので、大雪になると、よほど垂直に切り立った滝以外は雪に埋まってしまい、登りに行く意味が無くなってしまうからです。そんな訳で、今日は滅多にない、私にとっては本当に何もすることが無い週末を過ごしていると言うわけです。 さて、今日は色々なところで雪が降っているようですから、雪上歩行。つまり雪の上を歩く時の注意などをお話ししましょう。・・・たまに横須賀辺りで雪が積もると、一寸したことで滑って転び怪我をする人のニュースが流れます。雪国の人から見れば何でもない雪道も、雪がほとんど積もらない場所に暮らしている人達にとっては、ほんの数センチ積もっただけでもパニックです。特に舗装された道に積もった雪はまた一段と滑りやすくて、なれていない人は苦労するでしょう。雪上歩行の基本は、まず最初にゆっくり落ち着いて歩くこと。歩幅はいつもよりも小さめにとって、足はフラットに置きます。フラットに置くという意味は、足の裏、靴の裏全体で踏むと言うことです。履いて出る靴も選ばなくてはいけません。底が平らで滑りやすい物や、かかとの高い靴は歩きにくいだけでなくとても危険です。一番良いのはシンプルな長靴ですが、ちょっとかっこわるくて履けないかもしれませんね。でも長靴が一番です。あと、手をポケットに突っ込んだまま歩いたりしていると、いざ滑った時のリカバリーができません。もっともお年寄りなどの骨が弱っている方が滑って転んで手で支えようとして手首を骨折する様な怪我が実は一番多いそうですから、自信の無い方は杖などをしっかり持って外出しましょう。若者も、ちゃんと手袋をして、手を出して歩きましょう。積もった雪ですが、特に関東に積もった雪はすぐに溶けだしてきて次の夜に気温が下がれば雪ではなく氷になってしまいます。氷になってしまうと、一般家庭にある様な道具ではなかなか除雪ができません。家の玄関周りや良く歩く歩道などは、できれば積もってまだ柔らかいうちに、ある程度除雪をしておいた方が無難です。まだ柔らかい降ったばかりの雪でしたら、たとえば本格的なスコップなど無くても、段ボールなどを使ってもできます。と言っても、横須賀辺りで除雪が必要な位に雪が積もったら、近所の子供達が黙ってはいないでしょう。
ところで、話はころっと変わりますが、先日「キャラバン」という映画をはるばる渋谷まで出かけて見てきました。ネパールとフランスの合作映画で、シェルパ族の村とその住人達が主人公の映画です。この映画の舞台となったのはネパールのドルポという場所で、ネパールの中西部、ヒマラヤ山脈の一つダウラギリという山の西北に位置しています。ネパールの東側は大部分がヒマラヤ山脈がチベットとの国境になっています。私が秋に行ったランタン地方も、チベットとの国境に接した山域でした。しかしこのドルポは、ヒマラヤ主脈の北側に位置していて、標高4000m前後の乾燥した高原地帯です。ヒマラヤの北側にあるため、ネパール内であるにも関わらず完全にチベット文化圏に属しています。北のチベット高原から来た岩塩を南に運び、南の穀物や日用品をチベットへもたらすのが、ヤクという動物を使ったキャラバンです。ヒマラヤの峠を往復する交易は過去何世紀にもわたって、何世代もの人達に受け継がれて行われてきました。映画はそのキャラバンに初参加する子供の話と、引退する老人とその後を引き継ぐ若者のお話です。ヒマラヤの風景が所々に流れ、とても叙情あふれる映画でしたが、この映画がちょっと普通の映画と違うのは、西洋人がまったく出てこないのと、ドルポ語と言うチベット語の方言で全て語られていると言うことです。言葉というのは、本当にその地方の雰囲気を表しているなぁと思いました。 私が普段見る、胸がすかっとするとかいうたぐいの映画では無かったのですが、久しぶりに身体の内側から何かしらドスンと響くモノを感じる映画でした。
で、実は、今バックで流れている曲が、そのキャラバンのサウンドトラックです。 (雪が深々と降る景色でも眺めながら……) 今日はこの曲を少し聴いてもらいながら、お別れとしましょう。
雪が大好きな一級遊び人、川名 匡でした。ではまた来週……。
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