1999.12/15up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(1999.12/11放送)

雪トレは天神平

 日中はポカポカと暖かい日もありますが、日が落ちるとグンと冷え込む毎日です。
毎回この放送を聞いてくださっている皆さんは勘違いしているかもしれませんが、いつも冬が好きだと言ってる私も、別に寒いのが好きなわけではけしてなくて、澄み切った空気とそしてなんと言っても雪が好きな訳です。その為の試練が冬の寒さとなるのでしょうが、やはり初冬のこの時期の寒さはかなり厳しく感じます。特に山登りをする時、たとえば富士山あたりではもうマイナス20度以下も珍しく無いですし、全く真冬と変わらない状況なのですが、体の方はまだまだ夏の暖かさを覚えていて、真冬よりも寒さを感じてしまいます。こんな時は、家の中やテントの中でうずくまっていれば、とりあえずは暖まっていられますが、いつまでたっても体が夏モードですから、思い切って行動します。悩んだときはまず行動してみるのがやはり一番いい策かもしれません。私も早く冬モードに切り替えたいと思っています。

 そして、そんな切り替え作業を強制的にやってしまおうという富士山の雪上トレーニングにこれから出かけるはずだったのですが、なんと情報によると富士山に雪がありません。横須賀辺りからも、晴れた日は富士山が眺められて、最近は真っ白な姿も見えてますので、無いと言うのが信じられないのですが、現地に問い合わせをしたところ、あるのはほんの山頂付近だけで、後は毎朝霜がおりて真っ白に見えているだけだそうです。五合目辺りは完全に土が出ている状態だそうで、これでは雪上トレーニングの意味がありません。そして急遽雪上トレーニングの為に雪がある場所を探しまして、谷川岳に行く事になりました。現在も冬型が続いていて、谷川岳はバンバン積雪が増えているようです。天神平も1メートル以上あるそうです。富士山に雪が無いのに反して、日本海側の雪は例年並みに降り出したようで一安心です。と言うのも、お米が美味しい米所と言うのは、ほとんどが豪雪地帯で、冬場の雪の降り方がその秋のお米のできに少なからず影響しています。まあ、あんまり降りすぎるのよくないので、かなりわがままな事を言ってますが、やはり例年並みにバンバン降ってもらいたいなと思います。

 さて、富士山から転進した谷川岳ですが、どんな場所へ行くのかと言うと、天神平というスキー場がありますが、その天神平のピークから谷川岳本峰に延びている天神尾根という尾根があります。その尾根の末端、つまり天神平スキー場のすぐ近くでテントを張る予定です。この辺りはとても積雪量が多くて、天神平のスキー場も、人工雪を使わない天然のスキー場としては、全国で一番早くオープンする事で有名です。春も遅くまで雪が残っていて、私たちはよく、春先の雪上トレーニングによく利用します。その時は雪洞と言う雪の中に穴を掘って作る臨時の我が家を利用しますが、雪洞は少なくとも3メートルは積もっていないと、満足な物を作れないので、今回はテントです。天神尾根は、スキー場のロープウェイやリフトを利用できるのでとても便利なフィールドです。但し、重たい登山装備を持ってリフトに乗るのは、なれないとちょっとしんどい目に遭います。登山装備がぎっしりと詰まったザックは、冬場になると20キロ以上。場合によっては30キロを超しますので、担ぐだけでも大変です。昔の一人用のシングルリフトはまだましなのですが、最近のペアリフト以上のリフトは、立派な背もたれやフードなども付いているので、担いだまま乗る訳にはいかず、小脇に抱えて乗り込まなくてはなりません。担ぐときでさえ誰かに手伝ってもらったりする重量を小脇に抱えて、動いてくるリフトに飛び乗るのは、最初はとても恐怖でした。昔、担いだまま乗り込んで、ザックが大きいので自分のお尻がリフトのイスからはみ出てしまって、荷物が重いから動かす事もできずに、そのままお尻が浮いた状態つまりリフトに座っているザックにつかまった状態で、そのまま上まで我慢した事がありましたが、腕が力つきるか、上に到着するか、どっちが先かというスリリングな乗り方もしました。親切なリフト係の人がいると、リフトをまず止めてくれて、ザックを座席に置いてからゆっくり乗り込む事ができますが、それもスキーヤーにとっては迷惑な話です。
  迷惑と言えば、スキー場を登山靴でボコボコと穴をあけながら登る登山者は、スキーヤーやスキー場の関係者から見ればとても迷惑な話でしょう。でも私たちから見れば、ただそのままあれば綺麗だった山を裸にして、ドンドン上までスキー場を作られる方が迷惑な話しです。但し、私たちもその恩恵にあずかって、アプローチを楽にしている訳ですから、大きな声ではいえません。持ちつ持たれつと言うところでしょうか。でも、山頂までリフトやゴンドラを延ばすのだけは勘弁してもらいたいなぁと思います。そんな山がドンドン増えたら、私たちが登る山が無くなってしまいます。

  さて今日も、この山に遊ぶのホームページのアドレスを言います。よかったら見てください。
http://member.nifty.ne.jp/t_kawana/ です。
ホームページにいただいたご質問は、この番組でも放送させていただきますのでよろしく。
そしてわたしのEメールアドレスは、t_kawana@da2.so-net.ne.jp です。こちらにもご連絡下さい。
そしてパソコンが苦手な人のために、郵便でのお便りの宛先は、
〒238−0008 横須賀市大滝町2−20 FMブルー湘南  FAXは、0468−21−3511
皆さんのお便りをお待ちしています。よろしく。

雪が大好きな 山岳一級遊び人、川名 匡でした。ではまた



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