1999.12/15up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(1999.11/20放送)

冬の訪れ

 ここのところ山に行かない週末が続いています。このままだと4週続けて山無しの生活となりそうで、最近の私の山に行かない記録の新記録となります。低山の紅葉は今が真っ盛りですので、体中がもうウズウズしているのですが、色々な用事が重なってさみしい限りです。

 11月も終わりに近づくと、標高の高い山や豪雪地帯の山々は、それまで降っては溶けていた雪が寝雪の状態になります。こうしていったん雪が積もりだすと後はもうどんどんと積雪量は増えていき、山は私の大好きな白銀の世界になる訳です。富士山はそろそろ7合目以上。北アルプスの稜線も真っ白です。このころにになると、冬山を目指す私たちは冬装備の手入れを始めます。ピッケルを出して磨き、アイゼンの歯を研ぎます。シュラフもそれまで使っていたスリーシーズン用から冬用の分厚い物に変え、手袋も手の保護が目的だった物から防寒目的に変わり、夏場活用していた雨具は、冬用のヤッケに変わり、下着類も汗対策が主だった物から、より性能の高い防寒用の物に変わります。冬の登山装備は、ほとんどすべてが冬専用の物に変わります。冬の山登りは、夏山とは全く違う世界ですので、その変化を味わうのも楽しみの一つである訳です。

 そして、私たちがまず今シーズン最初に目指す冬山は富士山です。富士山と言っても山頂まで登る訳ではなくて富士山の雪が積もった中腹まで登って雪山に登るためのトレーニングをするのです。特に私のような雪国育ちでない物達は、基本的に雪の中を歩くことになれていないので、みっちりとトレーニングが必要です。冬専用の装備であるピッケルやアイゼンのトレーニングも必要ですが、まず基本的な歩行訓練が主になります。富士山の斜面を利用して、上に登るのではなくて、一カ所でくるくる回ってただただ歩いている姿は、端から見ればおかしいのですが、これから冬山を目指す物達にとっては、とても重要なものです。その昔は11月下旬と言えば富士山トレーニングの時期でしたが、最近は雪も少な目ですので、例年12月に入ってから行っていますので、今年も12月に予定をしています。
  ところで、たとえば冬山経験が何十年もあるようなベテランはトレーニングなど必要ではないのではないかと思われがちですが、そういうものではけしてなくて、どんなにベテランでも、雪の中を歩いていない半年のブランクはとても大きくて、毎年この初冬のシーズンにトレーニングが必要になってきます。

 さて今回、というか、この11月からですが、私も山岳ガイドの仲間入りをする事になりました。 日本山岳ガイド連盟という団体に加入して、まだ本格的にでは無いのですが、山岳ガイドとして活動いたします。さてその山岳ガイドと言うのはいったい何かといいますと、簡単に言うと、お金をいただいて山の案内つまりガイドをするのが仕事です。日本国内には、すでに数百名の山岳ガイドがおりますが、最近の登山ブームで、山登りをするのにガイドを必要とされる方々が沢山現れて、山岳ガイドの数は足りないようです。全く山を知らない人が、何も知らずに山へ入っていくという危険を取り除いて、山の遭難事故を少しでも少なくする事、そして山の楽しさを十二分に味わってもらうこと、これが私たち山岳ガイドの役目と思っています。そのうち、私の山行きツアーの募集広告がどこかに告知されるかと思いますので、その時は是非皆さんご一緒しましょう。また山のご案内も、大人数を引率させてもらうツアー登山形式のものもありますが、一人や二人程度の少人数の方を案内する"個人ガイト"もあります。個人ガイドは、よりきめ細かなおつきあいができて楽しいので、私はどちらかというとこちらのほうに重点を置いて活動していきたいと思っていますので、皆さんもよろしかったら是非、私を買い占めてください。ご希望の山にお連れいたします。
 って、最後はなんか宣伝になってしまいました。(笑) よろしく。

さて、皆さんからのご意見やご質問もお待ちしています。
宛先は、〒238−0008 横須賀市大滝町2−20 FMブルー湘南 FAX は、0468−21−3511
  川名 匡の山に遊ぶの係りまでよろしく。 そして、山に遊ぶのホームページは、http://member.nifty.ne.jp/t_kawana/ です。
ホームページにいただいたご質問は、この番組でも放送させていただきますのでよろしく。
そしてわたしのEメールアドレスは、t_kawana@da2.so-net.ne.jp です。こちらにもご連絡下さい。
皆さんのお便りをお待ちしています。よろしく。

一級遊び人&山岳ガイドの 川名 匡 でした。ではまた。


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