先週の土曜日はこの番組を生で放送させてもらってから、富士山の外輪山の一つ、三ツ峠という山に出かけました。
時折薄日が射したりの、登山には丁度いい環境だったのですが、山にいるあいだはあいにく富士山は霞の中で見られませんでした。三ツ峠は何ヶ所か登山口があるのですが、私が登ったのは一番簡単な御坂口です。ここは、河口湖から甲府に抜ける御坂トンネルの上、旧御坂峠の途中から入る道で、休日にはバスの便もあり、広いスペースでは無いですが、駐車スペースも確保できて、更に一番良いのは山頂まで広く緩やかな道を1時間半で歩けるので、実は私はこの道以外利用したことがありません。
紅葉は思っていた以上に綺麗で、所々にあるモミジの赤が鮮やかに光っていました。朝、登っている最中、何人もの重い三脚や大きなカメラを持った人たちにすれ違いましたが、どうやら目的の富士山が見えなかったようで、皆さん早々と下山のようでした。三ツ峠は富士山が目の前に見えて、絶好の撮影ポイントです。私も本格的な山登りを始める前のカメラ小僧だった時に何度か赤富士をねらって来た場所です。冬の寒い時期、夜明け前に三脚とカメラをセットして、カメラが凍りつかないようにカイロや身体で暖めて、ジッと赤くなってくるのを待ったものです。で、そんな山に今回は岩登りのトレーニングの為に登ってきました。カメラ小僧だった頃も三ツ峠直下の岩場は見ていますが、その頃はこの岩に取り付くなんて夢にも思っていませんでしたが、不思議なモノです。
三ツ峠は富士山の展望台として有名ですが、もう一つ、岩登りのゲレンデとしても有名です。山頂の南面直下に高さ80m、幅約200mの屏風岩という岩場があって、ゲレンデとしては関東地域で一番のスケールを誇っています。ちなみにゲレンデとは、谷川岳や北アルプスなどの本格的な岩場を登る前に、岩登りの練習をする場所の事で、横須賀の鷹取山などもこのゲレンデに入ります。ただ三ツ峠は、とてもスケールが大きいので、ゲレンデと言う枠からははみ出しているかもしれません。本当に本番と全く変わらない環境で、限りなく本番に近い練習が出来ます。今回私は、数カ所の岩場に取り付いて、練習をしましたが、半日もやっているともう腕の筋肉はパンパンに張ってきてしまいます。日曜日だった事もあって、沢山のクライマーが練習をしていました。
結局、富士山は見えずじまいで残念に思いながら下ったのですが、渋滞の河口湖湖畔で、真っ白に雪をかぶった頭だけを見ることが出来て感激しました。やっぱり富士山はいい山ですね。見るには最高の山です。
そして、今日また山に行きます。これから行くのは北アルプスの西穂高岳という山です。昨日現地に問い合わせをしたら、もううっすらと雪景色だそうです。当然気温はマイナス。相当冷え込んでいるようですから、覚悟していきます。西穂と言えば、岐阜の新穂高温泉が登山口なのですが、つい最近まで、信州側からの安房峠が冬期閉鎖になってしまっていたので、冬に出かける場合は東海道新幹線で名古屋まで出て、飛騨高山からバスではいるというロングルートでのアプローチだったのですが、二年ほど前に安房峠の下をトンネルが開通して、通年松本→高山間の定期バスが通るようになって、私達山屋にも便利になりました。松本から高山行きのバスを平湯温泉で下車して、そこから新穂高温泉行きのバスに乗り換えます。平湯の辺りはまだまだ紅葉が綺麗でしょうから楽しみです。登山口の新穂高温泉もいいところです。露天風呂のある宿が幾つもあって、槍ヶ岳や北アルプスの山々を眺めながらの長湯が気持ちいいところです。残念ながら今回は、温泉は素通りして山へ直行ですが、もし下山してから余裕があれば是非入ってきたいなと思っています。
山にはまずロープーウェイに乗ります。一気に高度を稼ぎ、ロープウェイを降りるとそこはもう北アルプスの山の中です。ここまでは観光客の人たちも沢山いますが、この時季ですから歩き出すとすぐに静かになるでしょう。約2時間ほど登ったところに、通年営業の西穂高山荘という山小屋がありますが、今回はその小屋の脇にあるテント場にテントを張って寝ます。そして翌日、お天気が良ければ西穂高岳までの往復をします。最初の顕著なピーク、独標という場所までは比較的穏やかな道のりですが、その先から西穂の山頂までは、細い岩の稜線が続いていて、登山経験の少ない人にはちょっと大変です。雪が着いていたらもう経験者のみが登れるルートになります。
この時季の北アルプスは、暖かい年だと雪がない事もありますが、ほとんどの場合、稜線はもう冬山です。ですから今回も、しっかりと冬山装備で出かけますが、上に登り着く迄は雪が無いので、たとえば登山靴なども冬専用を履いていくと、下の方で歩きにくかったりします。ですから、装備に関してはとても中途半端な時期で、持っていくものも色々と苦労してしまいます。それでも、標高の低い場所から段々と高いところに登っていく過程での紅葉から雪景色まで楽しめますので、期待しています。また帰りましたらご報告しましょう。
やっと秋らしい気候になってきました。 タブン今回。このシーズン初めての雪見になると思います。とっても楽しみです。
雪が大好きな山岳一級遊び人、川名 匡でした。では行ってきます。
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