10月の最初の週に新潟は越後三山の一つ、八海山に登ってきました。
ゴンドラがあるにもかかわらず、登りも下りも登山道を歩いたので、ちょっとハードコースでしたが、秋晴れのとてもいい天気に恵まれて、楽しい山を味わってきました。新潟には頻繁に出かけている私ですが、なぜか八海山は今まで登ったことが無くて、今回初めていきました。八海山神社のある登山口は、さすがに信仰登山の山だけあって、その様な雰囲気がむんむんする場所でした。登り始めてすぐ、途中にある水場のわき水がとっても美味しいのですが、なんと水がわき出ている場所が古い墓石の下でして、ホントにとっても美味しいのですが……なんかこう、喉を通る時のひんやりとした感覚が実際の水温だけでなくて精神的にもひんやりと感じてしまいました。
八海山の山頂付近は、健脚向きハードコースとして、クサリ場の連続する岩場があったりして、山自体も思っていた以上に楽しめました。普通に登られる時は、冬はスキー場になる八海山ゴンドラで尾根上まで一気に登って、そこから稜線を2時間ほどで薬師岳という山頂に着きます。クサリ場が連続する岩山はこの先にあって、ここまでは岩場が怖い人でも登ることができます。また上り下りともゴンドラを使えば、往復4時間ほどの適度なコースになります。私達は下ってから麓の宿に泊まりましたが、もちろん夜は清酒八海山に溺れていました。
[秋山の装備]
さて、秋の山は夏場の様な蒸し暑さもなくて、晴れた日に登っても涼しい風に吹かれて快適な山歩きが楽しめます。ただし、もうそろそろ2000メートルクラスの中級山域でも初雪が降りますし、いったん天気が悪くなると夏山の数倍の厳しさも待ち受けています。ですから、あまり山の経験が無い内に秋の高い山に登るとえらい目にあうこともあります。ですから、中級山域以上の山に登られるのでしたら、夏の山を経験してからにしたほうが無難でしょう。夏の山を登られていてねある程度登山装備もそろっている人が、秋の山に登る上で新たにそろえなくてはいけない装備はほんの少しですがあります。まずあげられるのが防寒具です。防寒具と言っても、冬に着るようなハードなものではなくて、家にあるセーターなどを持参しても大丈夫です。ただしセーターはVネックではなく丸首のもの、ただし徳利のセーターは今度は暑すぎてダメです。暖かいからいいだろうと、あまり厚手のものも山では使い勝手が良くありません。山のウエアーの基本は重ね着で、微妙なそして時には激しい温度変化に対応できるように、厚手を一枚よりは薄手を二枚用意した方がいいのです。一番上には、防寒用のウインドブレーカーつまり山で言うヤッケも必要ですが、これはゴアテックスなどの雨具で代用できますし、最近の登山用雨具は、そう言った防風防寒にも対処できるような作りになっているものもあります。防寒用としてはセーターの他に手袋や帽子があります。夏山で使用していた手袋と言うのは、防寒よりも防護というか、手の保護用のものが多いですし、帽子も日よけ的な役割を重視したものが主になりますが、これから寒くなってくると、やはり防寒的な役割も要求されてきます。冬場、雪の多い山に登るときは、防水も要求されますが、秋山の場合は冬の厚手よりも少しライトな薄手の防寒用手袋や、帽子が役に立ちます。また重要になってくるのが下着類です。夏場も化学繊維系の速乾性のいい下着が重宝されますが、これから寒い時期になってくるとさらにそれが重要になってきます。実は登山というのは、非常に体の熱を発散する行為ですので、たとえ冬の氷点下の山でも、行動すれば確実に汗をかきます。かいた汗がその後どうなるかというと、速乾性のいい下着を身につけていないと下着がぐっしょりと濡れたままになってしまい。行動が終了したり、休み時間に体の冷えが深刻な状態にまでなります。あまり薄手でないズボンでしたら夏に履いていたズボンでいいですが、下着には注意したほうが無難です。
また装備ではないですが、秋の山で注意することに行動時間があります。夏場でしたら夕方の6時を過ぎてもまだ明るいですが、これからの時期、もう5時を過ぎれば真っ暗になります。たとえ低山のハイキングでも、これからの時期は夏場よりも余裕を持った行程で、早めに行動を終了させるようなコースを選びましょう。
さて私ですが、体育の日を挟んだ三連休は、なんと山に行かずにお休みです。この秋の連休に家にいるのは何年ぶりのことでしょう。のんびりと休養を楽しもうと思っています。
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来週は谷川岳にまた行く予定です。そろそろ紅葉も見頃でしょう。
山岳一級遊び人、川名 匡でした。ではまた。
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