1999.10/06up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(1999.08/07放送)
越後初めての三千メートル 〜行動編〜
新潟から戻ってきまして、この横須賀での暑い暑い夏をエンジョイしている今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
さてその暑い横須賀からちょっと逃げようかなと言うことで、今日から私は北アルプスは剱岳という山に登りに行ってきます。
新潟の仕事場でも山に登れば22〜3度という過ごしやすい気温だったのですが、北アルプスも3000メートルの稜線に行けば夜は10度以下になる事もあります。日中でも20度前後というところでしょうか。私はどうやら北方系民族らしくて、この夏の暑さは耐えられないのですが、早く山の上に逃げたいなと思っています。
先々週、この夏に標高の高い山に登るためのお話をしましたが、今日はその続きをしましょう。
前回は装備のお話だったので、今回は登り方や休み方のお話です。
さてそこで、こんなご質問がきていますのでまずご紹介します。逗子にお住いのMさんというからです。 *************************************************************************************************
山登りを始めたばかりの両親を連れて先日山に登ったのですが、
定期的に休憩を取るよりも、休みたいときに休みを取ってもらう方が良さそうだったので
(つまり、調子の良いときは30分くらい歩くが、5分で休憩のときもある)、今回そうしましたが、良かったのでしょうか? *************************************************************************************************
というご質問です。
山登りをしていて、休憩の取り方と言うのは重要で、方法を誤ると必要以上にばてたり、調子が出なかったりします。通常の山登りでは25分歩いて5分休んだり、50分歩いて10分休んだりと、つまりランダムに休むよりは定期的に等間隔で休憩を取る方が疲れが少なくなります。これは運動のリズムの問題で、登山も歩くとき登るときのリズムが重要です。ただ、これも個人差があって、5分歩いただけでどうしても動けないという人もいるでしょう。この場合、休ませないで歩く訳にもいきませんので、休憩を取る訳ですが、その時重要な事は、必要以上に休まないという事です。自動車などのエンジンと同じで、人間の体も、その運動に必要な回転数と言うものがあります。必要以上に休みすぎると、その体はお休みモードに入ってしまうので、また歩き出すときの負担が増えてしまいます。ですから私が自分よりも体力が弱そうな人と一緒に山登りをするときに心がけていることは、その人が、まずあまり休まないで連続的に一定の運動強度で歩けるスピードを維持してあげると言うことです。兎と亀の競争のように、全力で走ってちょくちょく休むよりも、ゆっくり休まず歩く方が、体の為にもいいのです。ただし、夏の暑い時期での低山ではその限りではありません。人は汗をかいて体温の調整をしている訳ですが、その機能が追いつかないほどの高温多湿の日本の低山では、歩く時間を短くして、こまめに休憩をとり、体温の上昇を抑える努力が必要です。勿論このときは、冷たい水分を補給したりして、体の中から冷やす事も必要です。
さて、快適な山登りをするためにはその人の体力や技術力に合ったコース設定や行動時間が重要です。無理な計画は立てずに、少し控えめに余裕を持った行程を考えましょう。また日頃から規則正しい生活をしましょう。登山の全日に夜更かしなどしたら、寝不足で苦しいだけの山登りになります。私もその昔、まだ若い頃は、夜行列車でほとんど眠らずに朝早くから山登りをしたりしていましたが、今では体がもちません。ですから、私の最近の登山パターンは、朝早くから登り出さないと登り切れないような山に行く時は、前日の夜には麓の街まで行き、駅前のビジネスホテルへチェックイン。ぐっすり寝て、しっかりと睡眠をとってから登っています。
さて引き続き、皆さんの山に関するご質問や、この番組のご感想をお待ちしています。
宛先は、
〒238−0008 横須賀市大滝町2−20 FMブルー湘南
FAX は、0468−21−3511 川名 匡の山に遊ぶの係りまでよろしく。
そして、山に遊ぶのホームページは、http://member.nifty.ne.jp/t_kawana/
です。
Eメールアドレスは、t_kawana@da2.so-net.ne.jp
です。こちらもよろしく。
それでは、皆さんのお便りをお待ちしています。
今日はこれから上越新幹線と北北線を乗り継いで富山まで出て、いよいよ剱に行きます。お天気はいいでしょうか? 南の方にある台風がちょっと心配なのですが、山には一週間入っている予定なので、少なくとも、1日や2日は晴れる日があるでしょう。ガンバって登ってきます。
次週は、今日の続き、人はなぜバテるのか? というお話をします。お楽しみに。
夏真っ盛り すでに心は山の上の一級遊び人、川名 匡でした。では行って来ます。
E-Mail : Tadashi
Kawana [Copyright(c)1999]