1999.6/24up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(1999.06/19放送分)

雨雨降れ降れ母さんが……

先週は横須賀に戻れなくて、新潟は越後湯沢から放送をさせてもらったんですが、自分で聴いたところ「ちょっと元気の無い声だったかなぁ」と反省しておりります。もっとも、いつも元気無い声かも知れないんですが、先週は特に元気無かったかなぁと・・・・。(^^;;;
と、いうのはですね、常宿のお部屋を使って真夜中に収録させて貰いましたので、その分少し控えめの声になってしまったというわけです。これからも同じような収録が何回かあると思いますので、皆さんよろしくお願いします。m(..)m 今週はしっかりとブルー湘南のスタジオで喋らせて頂いていますので少しは元気にお話できるかなぁと思います。v(^^)

 さて、梅雨に入ってからもお日様が元気に活動する毎日でしたが、「やっと」と云いますか「そろそろ」と云いますか、最近になって雨雲さんが重い腰を上げて動き出したようです。 梅雨らしい天気になってきました。もっとも、あまり梅雨らしくないお天気が続いていたお陰で、私も毎週毎週、雨具を着ないで山歩きを楽しめました。この週末もひょっとしたら、雨に打たれずに山歩きができるかなぁと思っていたんですが、世の中そこまでは甘くないようでして今も窓の外にはシトシトと気持ちのいい雨が降っています。

 私は雨が好きです。
もっとも、パンツまでビショビショになってしまって、ガタガタと震えるような雨というのはその限りではないんですが、静かに降る優しい雨が好きです。
 縫い目から雨が染み込んでこないような雨具を着て、靴下も濡れないようなしっかりとした登山靴を履いて、そういう時には頭から被ったフード越しに、バタバタと頭蓋骨に反響してくるような、心地良いマッサージのような刺激のある雨が大好きです。
 そして新緑や紅葉の葉っぱがしっとりと濡れている姿を見ていると心まで洗われてくるような、そういう気分にもなります。雨が降っている時の森というのは、みんなが黙り込んでいて静かです。大きな木も小さな木も、苔むした岩も小さな草花も、そしてミミズとか虫とかカエルとか。。。多分、シカとかタヌキとかクマ達も、ジッと行動を「停止」して雨を静かに受け入れているのかなぁと思います。
 そんな全ての森の住人たちが、「雨」という形で支給される水を、心置きなく味わっている、そんな気配が森からひしひしと伝わってきます。だからと云うわけでもないんですが、私も雨を味わいます。

 傘はあまり好きではありません。ですから街で雨に遭遇した時などは、ちょっとくらいの雨でしたらそのまま濡れていたりもします。本格的な雨の場合は、傘ではなくて合羽が好きです。合羽は全身で雨の感触が味わえます。自分に雨が降り注いでいるという感触が、たまらなく心地良いからなんでが、ちょっとおかしいでしょうか? ひょっとしたら私の前世は「森の木」だったのかも知れません。
ですからポカポカの太陽も好きですし、雨も大好きです。

 さて、先週はお仕事から帰ってきまして、丹沢へ登りに行ってきました。いつも通り、かなり朝寝坊をして、かなり日が昇ってからスタートしたんですが、それでもけっこう充実した山となりまして今でもちょっと筋肉痛が残っています。丹沢で沢登りの時は、いつもあまり人気(ひとけ)のない河原でキャンプをします。
 この場所は20年近く前に発見した場所でして、かなり大きめの河原なのにほとんど人が来ないという、とってもいい場所だったんですが、ほんの5〜6年前頃からでしょうか、アウト・ドア(キャンピング)ブームが始まって、キャンプ場の許容量を遥かに越えたキャンパーで溢れかえるようになってからは、その河原でも時たま人を見掛けるようになりました。実は今回も子供達が大勢現れまして、思わず「ここは小学校の休み時間の校庭か」というくらいの「騒音」になっていたんですが、どうやら彼らはキャンパーではなかったようでして、夕方になると引き潮のように静かに引いて行きました。 ……ホッとしました。(^^;
 ようやく静けさが山を支配した頃だったんでが、フッと何かの気配を感じて顔を上げますと、沢の対岸からジィーッとシカに見られていました。
 目が合ってからしばらく「にらめっこ」をしまして、彼はそれから居なくなってしまったんですが、まだ夕方の明るいうちだったので 見つける事もできましたが、夜になって周りが真っ暗になってしまったらこちらからは何も見えなくなってしまいます。「あちら側からは、色々な奴に見られているのだろうな」と思いました。どんな動物が見物に来ても、人間として恥ずかしくない振る舞いをしようかなと、思わず考えたりもしました。
 もっとも、その晩は人が居ないのをいいことに、思いっきり山の歌を歌いながらワインのボトルを空にしまして、それでもまだまだ飲み足りなくてフラフラした身体で、もう1本用意した地酒に手を付けるかな〜と思っていたら、夕方に拾い集めておいた流木が燃え尽きてしまいまして、焚き火の火が一気に心細くなったので、泣く泣くテントに潜り込んで寝てしまったという結末でした。
 ずっと誰かが見物していたら、きっとサルでも笑い出すかなぁという振る舞いだったんですが、沢山の住人達にあまり見られていない事を祈っております。

というわけで、先週は雨に遭遇せずに山登りをしてきましたが、今週はどうやら雨は確実のようです。
できれば集中豪雨のような降りではなくて、私の好きな「静かな雨」を味わいたいなぁと思っております。

ますます快調 一級遊び人 川名 匡 でした。
ではまた。。。




 ← 前週の放送    トップページ    次週の放送 → 


E-Mail : Tadashi Kawana [Copyright(c)1999]
槍ヶ岳