1999.5/18up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(1999.01/23放送分)
雪遊びのすすめ
横須賀に雪が積もることは殆どないのですが、それでもたまに積もると、そこら中の子供達は土が混じって茶色くなった雪だるまを作ります。私は普段、冬になると雪国に出稼ぎに行きますので雪は見飽きているんですが、それでも何故か横須賀で雪が降ったりすると自分の子供の頃を思い出してしまうのか、ワクワクソワソワしてしまいます。そして仕事場で見慣れている真っ白な雪で、茶色くならない雪だるまを子供達に作らせてあげたいなぁと思ったりするわけです。
と、いうわけで、今日は「雪遊び」のお話をします。
普通、雪山に登りに行くと云うと、登山を知らない人も知っている人も一様に「気をつけてね」と声を掛けられます。
自分ではそんなに危険な事をしているという意識は無いんですが、やっぱり「冬山=危険」というイメージはあると思います。
ハッキリ云いまして、中には危険な場所も沢山あるんです……が、危険でない場所も沢山あります。
誰かを山登り、特に冬山に誘おうかなぁと思うと、私は最初に「雪遊び」に誘います。
殆ど危険の無い場所で、ただただ雪と戯れて遊ぶというのは子供の頃のワクワクした気持ちを思い出して、大人でも楽しいものです。
一番安全なのは、やっぱりスキー場でしょうか。「雪山に登りに行く」と云うと「気をつけてね」と云われますが「スキーに行く」と云っても誰も「気をつけてね」とは云ってくれません。ですからスキー場は安全じゃないかなぁと思います。
初めての雪遊びにはスキー場がお勧めです。滑ってはリフトに並び、また滑ってはリフトに並びという単純作業だけではなくて、たまにはスキーの板を外して雪だるまを作りましょう。最低でも温かい飲み物をポットに入れてきたり、できればコンロでも持ち込んで鍋パーティーなんかをすれば、楽しい雪遊びになります。
次にお勧めなのは、北八ヶ岳などの比較的安全な雪上ハイキングでしょうか。
北八は樹林帯の中の登山道が殆どでして、よほどの降雪がない限りは道が消えてしまうような事はありません。いつでもトレースが付いています。積雪は1メートル前後はあるんですが、道はとても良く踏まれていまして、防水性のいい靴と軽アイゼン、それとできれば登山用のストックがあれば完璧です。
例えば蓼科高原の上にありますピラタスロープウェイに乗ると、坪庭というフィールドに歩かずに到着できます。
雪の遊歩道を1周するだけでしたら、1時間も掛かりません。こういう簡単な所で、雪歩きの経験を積めるというわけです。
スキー場で遊んで、ちょっと山に入ってみて、雪山の素晴らしさを感じてきたら、次は「雪上デイキャンプ」なんかどうでしょうか。
今お話した北八の坪庭以外にも、簡単に入れる冬のフィールドというのは実はけっこう沢山あるんです。
スキー場とか道路からほんの少し入り込んだ所で、雪の上で宴会を開きます。
この1月の時期は、まだちょっと寒いんですが、2月も後半から3月頃になれば、冬の太陽も活動的になってきて、お天気のいい日などは
上着も要らなくなるくらいです。雪の上にギンギンに冷やしたビールとかワインがとても美味しいです。
さて、ここまできたら、次はもう「寝る」しかありません。今度は「デイ」ではなくて「雪上キャンプ」です。
一晩に1メートルも積もる豪雪地帯でない限り、そして標高の低い樹林帯であれば、夏に使用する普通のテントでも十分に使えます。
ただし、雪面からくる冷え込みというのは相当なものですから、防寒対策だけは十分にしてください。
通常、冬に使うテントというのは、冬用の「外張り」という物を付けます。
夏のテントの場合は、雨を防ぐ「フライシート」なんですが、冬の外張りというのは、「寒気対策」と「防風」の役目をします。
フライシートとの違いは通気性があることです。
雪上キャンプでのポイントというのは、雪を踏み固めてからテントを張るということでしょうか。
テントを張る大きさをしっかりと把握して踏み固めます。
その際、「かんじき」とか「スノーシュー」なんかがあれば踏み固めるのにもとても便利です。
シュラフはやはり夏のキャンプ用ではちょっと寒くて寝られません。
冬山専用の物を用意できれば完璧なんですが、なかなかそういう訳にもいかないので、例えば羽毛で3シーズンクラスのシュラフを2枚重ねて使うというのもけっこう有効です。
防水性が良くなかったり古いテントというのは下からジワジワと濡れてきますので、シュラフカバーがあると完璧です。
大きなゴミ袋などをシュラフの足の方に被せても、いくらかは防げます。
ただし、シュラフの下に敷きますシュラフマットだけは、いい物を用意しましょう。
やはり下からくる冷えというのは、できるだけ防ぎたいと思います。
真冬の夜明けや朝は、とても綺麗です。
ただし思いっきり寒いので、それだけは覚悟してください。
ちなみに水筒の水などは、すぐに凍りついてしまいますので自分のシュラフの中で大事に抱いて寝るとか、自分だけでなく装備の防寒対策も考えましょう。
テントで寝られましたら、次は「雪洞」でしょうか。
雪に穴を掘って寝ます。
なんか寒そうなんですけれども、場合によってはテントよりも全然温かいです。
雪洞の作り方になりますと、また話が長くなってしまいますのでこれはまた別の機会にしましょう。
こうしてスキー場の雪だるま作りから始まりまして、雪の中で寝るところまできたら、貴方はもう雪山の虜になります。
今後はしっかりと本格的な雪山にトライしましょう。
私はいつでもお待ちしております。(だだっ、誰に云ってるんだろう・・・ ^^;)
さて、次週は「ヒールフリースキー」という雪の野山を自由に駆け巡るスキーのお話をしますのでお楽しみに。
寒い寒い冬と雪が大好きな 一級遊び人 川名 匡 でした、ではまた。。。
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