2003.04/27up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(2003.05/03放送原稿)

ゴールデンウィーク

ゴールデンウィークもそろそろ終わりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は、ゴールデンウィークの始まりから、ずっと北アルプスは穂高岳周辺に行っています。今年は雪が多いという事ですので、しっかりと楽しんでいる事だと思います。

さて、雪が大好きな私にとって、ゴールデンウィークは今シーズン最後の雪山登山のチャンスです。山も下界と同じく春の風に包まれてはいますが、まだまだ雪が沢山残っています。しかも暖かい分、真冬のように鼻毛まで凍り付く様な猛烈に寒い吹雪はありませんし、腰までのラッセルもありません。晴天率も高く、晴れればザクザクと気持ちのいい雪を踏みしめて、Tシャツ一枚での行動もできます。素晴らしく心地よい雪山登山がでるのがこのゴールデンウィークの山々です。私はここ十数年間、ゴールデンウィークは穂高に入ってきました。昨年のゴールデンウィークのみちょっと浮気をして、ネパールヒマラヤの5500メートルの山に遊びに行っていましたが、今年はまた穂高に返り咲きます。今日はそのゴールデンウィークの穂高に登るお話をしましょう。

皆さん、有名な信州の観光地である上高地はご存じだと思います。皆さんの中でも訪れた方は沢山いるのでしないでしょうか?その上高地の河童橋から見あげる岩山が穂高連峰です。左から西穂高岳、ジャンダルムなどの岩峰群、そして一番高い奥穂高岳、横浜港のベイブリッジの様な吊尾根を経て右側に前穂高岳と明神岳。そして奥穂高岳の後ろに隠れて上高地からは見えませんが北穂高岳や涸沢岳。これらの3000メートルの山々をまとめて穂高連峰と呼びます。ゴールデンウィークの時期は、まだ残雪で真っ白に輝いている事でしょう。 私の今回の予定は、まず最初に岐阜県側にある新穂高温泉から、西穂高岳へと登ります。今回は、是非雪の奥穂高岳を西穂の山頂から眺めてみたいという方をお連れしてのガイド登山です。今年70才になられた方ですが、すごくお元気で、最近冬山を始めたばかりですが、ガイドがいればこの時期の穂高も登れます。この方とは今までも何度か山にご一緒していますが、どちらかというと私の方が元気印を分けていただいている様な感じで、毎回お会いするのが楽しいです。

さて、西穂のガイド登山を終えてから、次は上高地に移動します。ここで丸1日休養を取って、今度は涸沢に入ります。涸沢へは上高地から歩いて一日かかります。上高地から明神池まで1時間。明神池から徳沢園まで1時間。そして更に1時間半で横尾という場所に着きます。徳沢までは観光客がハイキンをしていますが、片道で4時間ほどかかる横尾では、さすがに上高地から日帰りハイキングの姿はまばらになり、ほとんどはこの奥に入る登山者ばかりになります。横尾にて、涸沢方面へ登る横尾谷と槍ヶ岳へ登る槍沢の二つの谷に別れます。穂高も人気の山ですが、槍ヶ岳も有名な山ですから、登山者もここで二分されます。また横尾は蝶ヶ岳への登山道もありますので、いつ行ってもにぎやかな交差点という感じの場所です。通常、ゴールデンウィークの時期はこの辺りから雪が出だしますが、今年は雪が多いそうですから、徳沢の辺りから、ひょっとすると明神池周辺から雪が残っているかもしれません。 さていよいよここから涸沢へ登ります。涸沢という場所は、上高地から見た吊尾根の裏側に位置します。カール地形という、氷河時代の名残を残す山を丸くえぐった様な、ちょうどお椀の片端3分の1位を削った形のお椀の底の様な場所です。横尾からの登りが約3〜4時間で、このお椀の底にたどり着きます。このお椀の縁の部分が穂高の山々で、左から屏風の頭、ゴジラの背の様な前穂北尾根を経て前穂高岳、上高地からの吊り尾根をちょうど反対側から見て正面に奥穂高岳。そして涸沢岳から北穂高岳へと続きます。ちょうどお椀の底からぐるりとお椀の縁を見上げるように立つ山々を眺める訳で、素晴らしい景色が展開します。上高地辺りでの標高が1500メートル。涸沢が2300メートルあります。つまり上高地から奥穂の標高差が1700メートル。涸沢から奥穂の標高差が900メートルですから、より間近に、ちょうど真下から奥穂を見上げる様な形になって、迫力満点です。今回はこの涸沢に5日間滞在して、色々な登山コースを登る予定です。岩登りから一般コースまで、沢山のルートが存在します。穂高登山の中心基地ですので、沢山の登山者であふれている事でしょう。

毎年、ゴールデンウィークの3日かあるいは5日辺りの新聞の第一面を飾るのがこの涸沢で、私も何度か新聞社のヘリコプターに手を振った経験があります。 さて今年の涸沢はお天気が良いでしょうか。過去に何度か季節はずれの雪に降られた事もあって、一番ひどかった時は5月だと言うのに50センチもの新雪が積もった事もありました。今回は是非、連日快晴が続いて、真っ黒な逆さパンダ焼けになる事を期待しています。

さて、私のホームページ上に、この番組の過去に放送した原稿を掲載してあります。また、私のお仕事や遊びの山のレポートなども掲載していますので、インター環境をお持ちでしたら、是非一度見てください。
アドレスを言います。 http://www.mt-kawana.com/fm です。
ちなみに番組用Eメールアドレスは、fm@mt-kawana.comとなります。こちらへのお便りもお待ちしています。
勿論、お葉書やFAXもお待ちしています。
お葉書やFAXの宛先は、 〒238−0008 横須賀市大滝町2−20 FMブルー湘南
FAX は、046−821−3511 川名 匡の山に遊ぶの係りまでよろしく。
皆さんのご意見ご感想、山に関するご質問等々何でもお便りください。

山岳一級遊び人:川名 匡でした ではまた来週。



[追記]
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