1999.5/18up
FMブルー湘南
川名 匡の山に遊ぶ
(1998.12/26放送分)
お正月も山の上
クリスマスもつつがなく終了しまして、皆さんプレゼントの山に埋もれている事でしょう。私もこの時期と2月の中旬と私の誕生日が有ることで有名な5月だけは整理が大変です。
と言うようなことを……一度言ってみたかったのですが……、ま、そのことはもうふれずにおきましょう。
世間は師走の忙しさで、私のようにフラフラと歩いている人は一人もおりません。そういう人の波というか流れから一歩はずれて遠目に眺めるのが実は結構趣味です。私たちの周りには、一年中色々な行事が有って面白いですが、この年末の一週間はそれが凝縮してある感じがします。テンションが徐々に上がっていって大晦日にピークを迎え弾け飛び、一瞬流れが止まったかのようなお正月を迎える。この、時間が止まってしまったような正月の空気も、私の心臓の鼓動にしっくりとかみ合うような気がして好きです。だからもし正月を家で迎えるとすれば、テレビも付けたくはないし、子供達は一稼ぎさせに家から追い出して、私はぐっすり寝たいですね。って寝てちゃいけませんが……。
さて、山岳遊び人の私は正月も山で遊びます。ただし、ここ数年そうしているのですが、最近は家族の半端者になりつつあるので、ちょっとは気を使って元旦だけは家で過ごして、1日の夜に山に出かけています。私は遊び人ですから、なにも込み合った正月に山に登らなくても、人がいない平日に行けばいいのですが、やはり正月のピリッと引き締まったような空気が山にもあって、一年の最初の遊びはじめを山で迎えるというおごそかな行為が好きです。と言ってもテントの中でお酒飲んでるだけですが、それでも山に居る、山の空気を吸っているという事だけで自分が落ち着いてくるのが分かります。今年のお正月は穂高を登っていたのですが、来年は古巣の八ヶ岳に入山します。八ヶ岳でのお正月は何回迎えたでしょうか。ひょっとすると私が生まれてから迎えて来たお正月の半分近くは八ヶ岳かもしれません。だから今回行く場所も通い慣れたところで、家に帰るようなものです。ただいまって感じでしょうか。今から楽しみです。
この放送を聞いている方の中でも、お正月を山で迎える方がいると思いますので、今日は山岳地の最新情報を少しお話しましょう。
まず丹沢です。丹沢表尾根の主峰・塔ノ岳(標高1419m)にあります尊仏山荘は通年営業しています。雪はまだ無いようですが、関東に一雨降れば正月に雪景色の可能性もあります。丹沢は雪が少ない分霜が立ちますので、ゆるんだあと道がドロドロになっている箇所があります。スパッツを着けた方が歩きやすいでしょう。朝夕はアイスバーンになりますので、軽アイゼン程度は持参した方がいいと思います。
次は上越国境の谷川岳方面です。麓に根雪はまだありません。山の上部のみ白く雪がかぶっている状態で、上は雪でも麓はこのところずっと雨だそうです。例年より暖かく11月くらいの気温が続いています。稜線上部で60p位の積雪。天神平スキー場で30pだそうで、一部滑走可です。この辺の状況はお正月辺りにはまた変わると思いますので、出かける前に問い合わせをするのがベストです。一ノ倉出合までの林道は例年12/1に閉鎖されます。道路に雪はまだありませんが車はもう入れません。登山センターは11/30でクローズし、現在は人は常駐していません、99年2/18にオープン予定だそうです。
次に奥秩父ですが、標高2017.1mの雲取山で現在積雪1〜2p程度。日向に雪はありません。瑞牆山や大菩薩にも積雪はまだ無いそうです。
さて私が登る八ヶ岳ですが、八ヶ岳は別名小屋ヶ岳とも呼ばれているくらいに山小屋が多い山で、正月はほとんどの小屋が営業しています。ただし泊まる予定があるのでしたら登山道の最新情報も兼ねて山小屋に宿泊予約の電話を入れた方が無難なことはどの山にも言えます。通年営業で無くて正月のみ営業する山小屋は1/3で営業を終了する小屋が多いですので注意して下さい。積雪は北八の北斜面やふきだまりで40pくらいあるそうです。登山道は10〜20p程度ですが、北八でも、少なくとも軽アイゼンとストック程度は持参しましょう。麦草峠の国道にも雪が積もっていますが、ところどころアスファルトが出ている状況だそうです。ただし、
国道は現在完全に車両通行止です。車で麦草峠へ上がることはできません。南八ヶ岳ですが、積雪は赤岳鉱泉周辺で約30〜40pだそうです。稜線の岩肌はまだ少し見えますが、吹き溜まりでは1mくらいあるでしょう。南八ヶ岳は北八に比べて本格的な岩や雪の斜面が多くありますから、防水性のいい重登山靴に本格的な10本爪以上のアイゼンとピッケルが必要です。美濃戸口〜美濃戸の林道工事は終了し、車両通行できてますが、チェーンが必要です。北アルプスなどに関しては、かなり本格的な冬山登山になりますのでここでのコメントはさけます。それなりの技術と経験を持った人が自分で情報を集めて計画をたてましょう。
以上お話したのが最近の各山岳地の状況ですが、特に冬山は雪が一晩降れば地形から変わってしまいます。実際に登られる人は、その場所の最新情報を集められる事がベストです。
さて今年の正月はどんな山登りになるのでしょうか。また戻りましたらご報告します。また正月はこのブルー湘南も特番になりますので山に遊ぶの99年初お目見えは第二週目9日の土曜日です。皆さんお間違えのないように。それでは今年一年聞いていただいてありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
皆さんのお便りもお待ちしています。
寒い寒い冬と、雪が大好きな一級遊び人、川名 匡でした ども
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