1998.12/24up

北アルプス・西穂高岳


奥穂
槍穂高連峰を眺める(西穂高岳山頂にて)


西穂山頂にて3人で 期  日:1998年1月2日〜4日
メンバー:L川名/カンスケ/高ちゃん
行程
1/2(金)東京(新幹線)→名古屋(ひだ1号)→高山(バス)
    →新穂高温泉(ロープウェイ)→西穂高口1300〜西穂山荘1500※テント設営
1/3(土)西穂山荘0900〜独標1010〜西穂高岳山頂1120/1135〜独標1240〜西穂山荘1330
1/4(日)西穂山荘1000〜西穂高口(ロープウェイ)→新穂高温泉
    新穂高温泉(バス)→平湯温泉(バス)→松本(JR)→八王子


 私はここ10数年間というもの、地元の山岳会に所属していた。新人時代から始まり、やがて正会員〜リーダー会員〜チーフリーダー〜そして会の代表を務めるようになったが、その結果として正月のお休みは山岳会の合宿山行がおきまりであった。したがって、自分の行きたいところ・好きなところへの山行は無かった。一番多く入山した八ヶ岳も悪くない山ではあるけれど、たまには正月に他の山に行ってみたいと思っていた。そして今回、夏の終わりに山岳会を退会して晴れてフリーの身になって、さてどこに行こうかと考えたら、自分の体力への不安から、結局体力技術共に要求されるような山には行けないという寂しい結論に達してしまった。では一人でどこへ行こうか……、とりあえず八ヶ岳以外の山に行ってみたい。そこそこ標高が高くて雪が楽しめる山、できたら岩稜も歩きたい。そんな私にぴったりで手軽な山が西穂高岳であり、よし正月は西穂に登ろうと計画を立て始めたら、私と前後して山岳会を退会したカンスケが一緒に行くという。またそんな時、たまたま飲む機会があった10年来の同僚の高ちゃんが、毎年入る剱を今年はお休みして正月を暮らすという。それじゃあ一緒に西穂に登って、ついでに帰りに上高地にでも降りて、のんびりと正月を過ごそうじゃない?ということになり、結果として3名のパーティが決まった。カンスケと高ちゃんがいれば、西穂じゃなくて奥穂に登れるかなとも考えたが、もうその時点で正月に何日もない暮れの話でもあり、高ちゃんにしても"のんびりとお正月"という計画でと誘った事もあり、当初から決まっていた西穂の計画を変えずに、最終的に上高地でのんびりする事で決まった。

高ちゃん(初日) [初日〜西穂山荘まで]

 ロープウェイを上がっている時は槍ヶ岳も見えていたのに、歩き始めるとすぐに雪がちらほらと舞ってきた。何ともさい先の悪い話である。寒い寒いとコートの襟を立てて、それでもしっかりと記念写真だけは撮ってさっさと引き上げようとしている観光客に、何か別の生き物でも見るような目で見送られての出発であった。最後の急登も何とか普通に登れて、二人に遅れること5分程(!?)で西穂山荘の前に着いた時はうっすらと新雪が積もっていた。視界は悪く、明日が思いやられる。

テントにて  夜は、今回の山行目的の中のメインイベント、鍋パーティが始まる。高ちゃんはもう掛け値無しの底無しで、黙っていたらウイスキーのボトル一本をあっという間に空にしてしまうおそれがあるので注意が必要だ。カンスケはカンスケで日本酒大好き娘で…、のんべえ達に囲まれた私はもういったいどうしたらいいのでしょう? って結局どうするかって言ったら3人で飲むしか無いのね……。

[2日目〜西穂ピストン]

 我らの期待を裏切り、朝は快晴の青空が輝いていた。仕方なく 喜んで出発の準備をする。歩き始めるとすぐに調子が悪くなる。足が思うように前に出ない。うぅ昨日飲み過ぎたからダ〜。恨めしくも、私よりも沢山飲んだ二人がどんどん先に行ってしまう。うぅ歳のせいだと言われてしまうぅ〜。しかし気持ちと体が正反対に動く。

 やがて独標着。やっと調子が出てくる。どうやらペースの速い高ちゃんに付いていこうとしたのがいけなかったようだ。途中ペースを落としてゆっくりと登ったらだんだんと調子がよくなってきたからだ。皆さん自己のペースは守りましょう。天気は最高に良くて、360度見渡す限りのパノラマが広がる。さてここからもいい景色だが、我らが目指すのは西穂山頂だ。先を急ぐ。念のため、補助ザイルも用意したが、雪も少なく快適に登れる。途中すれ違う登山者が間違えて枝尾根に下っていくのを教えてあげたりしながら山頂着。少し雲が出てきたが、まだまだいい天気だ。見れば奥穂は目の前で、山頂までだったら今日中に着けそうな感じだ。ん〜やっぱり奥穂にすればよかったかなぁとか考えながら、しばし山頂の気分を味わう。

西穂山頂にて  山頂でしばしの休憩をして下山を開始。さて下りは景色がいい。はるか下に大正池のある上高地。正面に焼岳や乗鞍岳。横には笠ヶ岳と、色々な景色を眺めながらとなりまた楽しい。足下を注意しながらそれでも景色を眺めつつ下山する。天気も良く、ルートも快適だったので下りは早かった。西穂山荘で缶ビールを買ってからテントに入るのは当たり前。また早々と(?)宴会に入る。
 さてテントに帰り着いてからずっとテントに入っていて気づかなかったが、いつの間にかあんなにいい天気だったのがまた雪となる。しかも段々と強い降りになった。明日は上高地に下り、またのんびり一晩過ごす予定でいたが明日の天気次第だ。

[最終日〜結局ロープウェイでさようなら]

テント撤収  雪は朝になっても降り止まず、新雪も40cm程になった。我らのテントは、小屋から一番離れた上高地へのルート上にあったが、朝の遅い我らが起きてもまだ上高地方面へのトレースは無い。と言うことは、我々がトレースを着けなくてはならない。斜面に入ったら新雪はもっと深いだろうなぁ〜と考えたら、そく新穂高への下山が決定する。こういう決定は素早い。となれば今日もそんなに急ぐ旅でも無くなった。ゆっくりと朝食をとり、後かたづけが始まった。

誰もいないロープウェイの西穂口駅の外  さて撤収が終了した頃には、上高地方面のトレースも付きだしたが、こういう時の我らの結束は堅く、また揺るぎもない。そのトレースは完全に無視してロープウェイに一路下山した。たどり着いたロープウェイの駅は、さすがに吹雪いていると観光客の姿も無い。では登ってきている観光客はいないのかなと思うと間違いだ。雪を落とし入り口を入ると中のおみやげやさんには沢山の観光客で大にぎわいだった。おいおい高いロープウェイ代をだしてここまできて、結局外に一歩も出ずにおみやげ買うだけなの? 一般人の考えることは私にはよく分からない。観光客の皆さんをかき分けてロープウェイに乗る。やっと文明に帰り着いた気分だ。何でもこのロープウェイはもうすぐ2階建ての車両になるとかで記念のくじをしていて、私が500円の商品券をゲットする。ただしこのロープウェイ駅でしか使えないらしく、私はいったいいつこの商品券を使ったらいいのでしょう?

 帰りは平湯温泉へ向かう。高山から松本方面へ走っている定期バスに乗る為だ。この路線はこの冬、安房トンネル開通に伴って通年営業が開始した路線だ。途中、平湯温泉や上高地に入る釜トンネル入り口にも停車するので冬場の登山者には便利だ。しかし私は、ほとんどなんにも考えずに乗れると思ってきたら何でも全席指定だそうで、もし満席だったら乗れないと平湯にいるバス会社の人が言う。これはやばいかなと思ったら、何とか我らの分程度の空きがあるようで、切符を購入する事ができた。
 バスで松本着。考えたら、東海道新幹線で名古屋に入り、飛騨高山から新穂高そして平湯から松本と、ぐるりと一週してしまった。結構な旅だった。そして今回は、久しぶりにのんびりとした正月山行つまり個人山行を楽しめた。コレも気心の知れたメンバーに囲まれたおかげだ。二人に感謝! 高ちゃん・カンスケ、今度は奥穂に行こうよ〜 

以上 川名 匡 

270度パノラマ


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